凶器スパナは工場用 新潟で製造 専門業者通じ納入

2009年6月6日 読売新聞 中部発

 愛知県蟹江町の親子3人殺傷事件で、母親の山田喜保子さん(当時57歳)の殺害に使われたとみられる鉄製スパナは、新潟県のメーカーが2005年12月から製造し、主に自動車製造などの大規模工場で使われる特殊な工具であることが5日、わかった。握る部分には製造時期を表す「EM」の刻印があり、県警特捜本部は、犯人が工場などからスパナを入手し、犯行に使ったとみて、流通経路の特定を進めている。

 捜査関係者によると、現場で見つかったスパナは、新潟県三条市の「トップ工業」が製造した「ワイドモンキーレンチ エコワイド」。全長31・5センチで、ボルトの大きさに合わせて調節できる開口部は3・5センチ。重さは650グラム。国内で約3000本が流通しているが、専門業者を通じて工場に納入されるため、ホームセンターなどの量販店では扱われていないという。

 捜査関係者によると、現場に残されていたスパナには、わずかなサビはあるものの、新品に近いものだったという。特捜本部は工場内の在庫から抜き取られた可能性もあるとみている。

 さらに、首や背中を刺された三男の勲さん(25)が犯人の男について「外国人のようなイントネーションだった」と話していることから、犯人が工場などで働く外国人だった疑いもあるとみて捜査している。

 特捜本部は、フリーダイヤル(0120・011・076)で情報を募っている。

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