愛知3人殺傷:タオルを浴槽に放置…返り血洗い流す?

毎日新聞 2009年5月7日 15時00分


遺体が発見された部屋の前には喜保子さんのものとみられる自転車と手向けられた花束が置かれていた=愛知県蟹江町蟹江本町で2009年5月4日午前11時15分、秋山信一撮影




 愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、現場住宅の浴室に衣類のほかに血の付いたタオルと毛布が残されていたことが分かった。捜査幹部が明らかにした。1階居間の床に血をぬぐったような跡があり、県警蟹江署特別捜査本部は母親の山田喜保子(きほこ)さん(57)と次男雅樹さん(26)を殺害した犯人が返り血や床の血痕をふき取り洗い流した可能性があるとみて、付着した血痕や毛髪などの鑑定を急ぐ。

 捜査幹部によると、水を張った浴槽内に血の付いたタオルや毛布などが残されていた。既に血が洗い流された状態だったという。浴室内と脱衣場には血の付いた複数の衣類が残されており、一部はぬれていた。

 一方、1階東側の居間の床からは血をぬぐったような跡が確認された。殺害された2人のうち、喜保子さんの遺体は廊下を隔てた和室の押し入れに隠されていたが、雅樹さんの遺体は和室に放置されていた。このため特捜本部によると、犯人は居間で喜保子さんを殺害、遺体を和室に運んで押し入れに入れ、居間の血だまりをぬぐって犯行を隠ぺい。その後、雅樹さんを殺害した可能性があるという。

 事件発覚当時、玄関と1階窓は施錠されていた。これまで三男勲さん(25)と雅樹さんの鍵はそれぞれ屋内で見つかったが、玄関付近の屋外からもう1本鍵が見つかり、喜保子さんの鍵の可能性があるとみて確認している。【福島祥、山口知、中村かさね】


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