三男の靴で逃走か 蟹江殺傷、現場に大量の粘着テープ

2009年5月11日 中日新聞 朝刊

 愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)ら親子3人が殺傷された事件で、玄関にあったはずの三男の会社員勲さん(25)の運動靴1足がなくなっていたことが蟹江署特別捜査本部への取材で分かった。運動靴とみられる土足痕が室内の数カ所で確認され、同本部は犯人が履いて逃げた可能性があるとみて調べている。

 特捜本部によると、玄関にあった靴の写真を勲さんに見せたところ、勲さんの運動靴1足が見当たらないことが判明。家族以外の靴はこれまでに確認されておらず、犯人が証拠を残さないよう勲さんの靴に履き替え、自分の靴を持って逃走した可能性がある。

 室内には、運動靴とみられる土足痕のほかにもスリッパなど多くの足跡が重なり合った状態で残されており、どの靴のものか識別を急いでいる。

 また、現場から使用済みの粘着テープが大量に見つかっていたことも新たに分かった。勲さんの特捜本部への証言では、勲さんは2日午前2時半ごろに帰宅。玄関で座って靴を脱いでいるところを背後から襲われた。着ていたパーカのすそを後ろからたくし上げるようにして顔を覆われたといい、粘着テープはその際、犯人が姿を見られないよう何重にも巻いたとみられる。

 同日午後零時半ごろ、蟹江署員が勲さんを保護したときには自力で外していた。特捜本部は粘着テープに指紋などが残っていないか、鑑定を進める。


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