愛知母子殺傷:母は殴殺か、工具が家に 台所などに血痕

毎日新聞 2009年5月4日 21時53分




一家3人が殺傷された山田喜保子さん方の室内を現場検証する愛知県警捜査員=愛知県蟹江町蟹江本町で2009年5月4日午前11時15分、秋山信一撮影


 愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、母親の山田喜保子(きほこ)さん(57)の死因は頭部を複数回激しく殴打されたことによる脳障害で、凶器とみられる工具が現場の住宅内で見つかっていたことが4日、分かった。捜査関係者が明らかにした。工具には血をぬぐった跡があったという。屋内に3人のものとみられる財布も残されていたことから、県警蟹江署特別捜査本部は強盗目的のほかに、恨みによる犯行の可能性もあるとみて、一家にトラブルがなかったか調べる。

 特捜本部によると、次男雅樹さん(26)を刺殺した凶器とみられる包丁も、血を洗い流した状態で屋内から見つかった。捜査関係者によると、台所や洗面所から血痕が確認され、犯人が凶器や返り血を洗い流した可能性があるという。特捜本部は、工具と包丁がもともと家にあったものか、犯人が持ち込んだものか調べている。

 4日の司法解剖で、喜保子さんの遺体には頭を殴られた跡のほか、背中と顔に打撲痕、首に絞められた跡もあった。刺し傷は確認されなかった。

 一方、屋内から現金が入ったままの財布3個が見つかり、うち2個は雅樹さんと軽傷の三男勲さん(25)のものと確認された。3人の名義の通帳も残されていた。特捜本部は、残り1個の財布を喜保子さんのものとみて確認を急ぐとともに、なくなったものがないかさらに調べている。

 雅樹さんは2日正午過ぎ、1階西側の和室で背中を刺されて死亡しているのが見つかり、喜保子さんは3日に和室押し入れから遺体で見つかった。勲さんは2日午前2時ごろ、帰宅した際に玄関で後ろから襲われ気を失った。事件発覚時、玄関と1階の窓はすべて施錠され、家の鍵は玄関先の敷地内に落ちていた。【福島祥、秋山信一、中村かさね】


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