2009年6月2日07時49分 読売新聞 YOMIURI ONLINE
愛知県蟹江町の親子3人殺傷事件で、犯人が、金目当てでこの家を襲ったという趣旨の話を、三男の山田勲さん(25)にしていたことがわかった。
事件は発覚から2日で1か月。県警特捜本部は犯人像の絞り込みに全力を挙げている。
捜査関係者によると、勲さんは襲われた後、1階和室に寝かされていた。救出されるまでの間、短い会話を繰り返し、犯人は犯行の目的について、金目当てでたまたま襲ったという趣旨の説明をしたという。ただ、2階には明らかな物色痕がなかったほか、2階の次男の雅樹さん(当時26歳)の部屋には「まとまった金」が残っていた。
このため、特捜本部には、「(犯人が)金に困っていたとは一概に言えない」との声もある。
また、現場の状況などから、母親の喜保子さん(同57歳)は1階居間で、雅樹さんは発見された1階和室で、それぞれ殺害された可能性の高いことがわかった。犯人は、喜保子さんの遺体を隠すため、毛布に乗せて押し入れのある和室へ運んだとみられている。
喜保子さんの遺体の血はふき取られた上で、肌着や別の毛布、大量の衣服が無造作にかけられていた。ふすまを開けただけでは遺体が全く見えない状態だったといい、犯人が事件の発覚を遅らせようとしたとみられている。
雅樹さんの遺体は和室の布団の上で見つかったが、遺体を別の部屋から移動した形跡はなく、帰宅直後に玄関脇の和室で襲われたとみられている。
犯人は、帰宅した勲さんを襲った後も10時間以上現場にいて、凶器の血痕をぬぐったり、血の付いた衣服を洗濯したりしていたらしく、捜査幹部の1人は「徹底して証拠隠滅を行っている。相当、神経質な性格の持ち主ではないか」とみる。
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