愛知・蟹江の母子殺傷:殺害は夜9~10時 次男の携帯つながらず

毎日新聞 2009年5月11日 中部朝刊

3人が殺傷された山田さんの自宅=8日、山口知撮影



 愛知県蟹江町の山田喜保子さん(57)ら一家3人が殺傷された事件で、次男の雅樹さん(26)の勤務先の同僚が事件発覚前夜の1日午後10時ごろに雅樹さんの携帯電話に電話したところ応答がなく、この時間帯に既に殺害されていた可能性が高いことが10日分かった。捜査幹部が明らかにした。喜保子さんと雅樹さんの胃の内容物などもこれを裏付けているといい、県警蟹江署特別捜査本部は2人の殺害時刻を午後9~10時ごろとほぼ特定した。

 捜査幹部によると、雅樹さんの携帯電話に電話したのは勤務先の洋菓子店の同僚女性。2日朝に雅樹さんが出勤してこなかったため店長が県警に届けた。

 喜保子さんの胃には夕食のタケノコやサヤエンドウが残っていた。1日午後9時ごろ友人と電話で話しており、その後間もなく襲われたとみられる。雅樹さんの胃には固形物が残っていなかったほか、9時半に自宅まで車で約15分の勤務先を出た時と同じズボンをはいていた。このため10時前に帰宅した際、犯人と鉢合わせして殺害されたとみられる。

 食卓には喜保子さん以外にも食事した形跡があり、犯人が食べた可能性があるという。

 特捜本部によると、三男勲さん(25)は1日夜、友人と名古屋市内で食事。2日午前2時過ぎに帰宅した際に襲われたといい、これまで2人の殺害時間は1日夜から2日未明までとみられていた。

 捜査幹部によると、喜保子さんは午後9~10時に1階和室で就寝するのが日課で、就寝直前に襲われたとみられる。雅樹さんと勲さんは帰宅時間が遅いため、喜保子さんが用意した食事を別々に食べていたという。

 一方、玄関にあった勲さんのスニーカーがなくなっていることが調べで分かった。特捜本部は、2日正午過ぎに現場で警察官に目撃された後、姿を消した男が自分の靴跡を残さないように勲さんのスニーカーを履いて逃げたとみている。【福島祥、山口知、中村かさね】


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