居間に血ふき取った跡、証拠隠滅図る? 愛知3人殺傷

2009年5月6日15時31分 朝日新聞 asahi.com

 愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)方で喜保子さんら一家3人が殺傷された強盗殺人事件で、居間に大量の血液や一部、血をふき取ったような跡があったことが5日、県警特別捜査本部への取材でわかった。居間近くでは、血をぬぐったような鉄製のスパナも見つかった。特捜本部は、犯人が居間にいた喜保子さんの頭部をスパナで繰り返し殴り、遺体を1階和室の押し入れに運んだとみて、犯人の行動を調べている。

 この和室の布団のうえでは、次男雅樹さん(26)の刺殺体も見つかっており、犯人は殺害した喜保子さんの遺体を隠したほか、床の血をふき取るなど証拠隠滅を図ってから、雅樹さんを襲った可能性があるとみている。

 捜査関係者によると、室内の現場検証で、1階の居間の床から大量の血液が広範囲にわたって残されており、血をふき取ったような跡があることがわかった。スパナはこの部屋に隣接する廊下付近にあり、血をぬぐったような跡が残されていたという。

 一方、背中に肺動脈に達するほどの刺し傷があった雅樹さんの遺体が見つかった1階和室にも、血だまりができていた。雅樹さんが刃物で刺された際に出血したものとみられる。

 喜保子さんが襲われたとみられる居間と、雅樹さんが刺されたとみられる和室は、廊下を挟んで隣り合っており、2人とも、それぞれ異変には気づいていなかったとみられることから、特捜本部は喜保子さん、雅樹さんの順に襲われた可能性があると判断した。

 喜保子さんの遺体が見つかった和室の押し入れからは、自宅で飼っていた猫1匹も殺された状態で見つかった。喜保子さんは近所の野良猫の世話もしており、家族の中で最もこの飼い猫をかわいがっていたという。犯人が喜保子さんの後頭部をスパナで執拗(しつよう)に殴ったうえ、顔面も殴打するなどしていることから、特捜本部は特に喜保子さんに強い恨みを持った人物との見方を強めている。
 洗面所の洗面台で見つかった雅樹さん殺害に使われたとみられる包丁は、二つに折れたような状態で、水を張った中に刃が、柄の部分は洗面台の上にあった。包丁には、血を洗い流したような跡が残されていた。

 また、捜査幹部は5日、帰宅直後に玄関で首を刺されて2週間のけがをした三男勲さん(25)が持っていた玄関の鍵が玄関内で見つかったことを明らかにした。勲さんは入院中だが、特捜本部の事情聴取に応じられる状態という。


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