犯人、食卓の夕食食べる? 愛知の一家殺傷

2009年5月11日3時1分 朝日新聞 asahi.com

 愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、殺害された会社員山田喜保子さん(57)が台所と食卓に用意していた夕食の一部が何者かに食べられていたことが10日、県警特別捜査本部への取材でわかった。殺害された次男(26)やけがをした三男(25)は手をつけていないとみられ、特捜本部は犯人が食べた可能性があるとみて、食器などに指紋や唾液(だえき)が残っていないか調べる。

 捜査関係者によると、食卓には喜保子さんが家族のために準備したとみられるコロッケとオレンジ、台所の鍋の中には煮魚があった。食べられた形跡は、そのうちの一部にあったという。

 喜保子さんの胃の中には消化されていないタケノコやサヤエンドウなどの野菜類が残っていたが、次男のケーキ店店員雅樹さんの胃の中には夕食に使われた材料はなかった。

 雅樹さんは1日午後10時ごろ仕事から帰宅したとみられ、遺体発見時は上半身裸でスーツのズボンをはいたままだったことから、特捜本部は、喜保子さんが用意した食事を食べる前の帰宅直後に犯人に襲われたとみている。

 三男の会社員勲さんは同日午後8時半ごろ友人との飲食に出かけているため、台所や食卓の夕飯が減っているのは、10時間以上にわたって喜保子さん方に滞在した犯人が食べた跡である可能性が高いという。

 また、特捜本部が入院中の勲さんに確認したところ、玄関にあった勲さんのスニーカーがなくなっていることも新たに判明。犯人が履いてきたとみられる靴も玄関などからは見つかっていないという。


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