室内に血が付いた小刀、三男襲った凶器か 愛知一家殺傷

2009年5月10日8時55分 朝日新聞 asahi.com

 愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、血が付いた小刀が室内で見つかっていたことが8日、県警特別捜査本部への取材でわかった。会社員山田喜保子さん(57)の次男(26)の殺害に使われたとみられる包丁とは別で、小刀で首を刺されてけがをした三男(25)の傷の形状から、特捜本部は犯人が三男を襲った際に使った凶器とみている。

 3人の殺傷に使われたとみられる凶器は小刀と包丁と、喜保子さんの殺害に使われたとみられるスパナの3種類で、いずれも室内に残されていたことになる。特捜本部は別々の凶器が殺傷に使われた経緯や、それらがもともと喜保子さん方にあったものか、外部から持ち込まれたものかを特定し、犯人像の絞り込みを進める。

 捜査関係者によると、血が付いた小刀は、次男のケーキ店店員雅樹さんの遺体が見つかった1階和室で見つかった。雅樹さん殺害の凶器とみられる包丁は柄が折れ、水を張った洗面台の中で刃の血が流されていたが、小刀には付着した血液を隠そうとした跡は見られなかったという。

 三男の会社員勲さんは2日午前2時過ぎに帰宅。玄関で靴を脱いでいる最中に背後から襲われ、首の後ろ側に深さ5センチと3センチの傷を負った。小刀の形状はこの刺し傷と符合する可能性があるという。包丁はもともと喜保子さん方の台所にあったものだが、小刀についてはわかっていないという。

 スパナで繰り返し頭部を殴られて殺害され、1階和室の押し入れから見つかった喜保子さんの遺体の血が、きれいにふき取られていたことも新たにわかった。特捜本部は、犯人が居間付近で殺害した喜保子さんを和室押し入れに運ぶ際に、廊下の床などに血が付かないようにした可能性があるとみている。


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