押し入れに母親の遺体 愛知・兄弟殺傷、強盗殺人で捜査

2009年5月4日3時14分 朝日新聞 asahi.com


山田喜保子さんの遺体を運び出す捜査員ら=3日午後4時38分、愛知県蟹江町、加藤丈朗撮影


 愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)方で、次男(26)と三男(25)が殺傷された事件で、県警捜査本部は3日、所在がわからなくなっていた喜保子さんの遺体を自宅押し入れで見つけたと発表した。背中には刺されたような傷があった。三男の会社員勲さんは男に襲われた際、金銭を要求されたといい、県警は容疑を殺人から強盗殺人に切り替え、蟹江署に特別捜査本部を設置した。

 発表によると、喜保子さんの遺体は県警の同日の現場検証中、次男のケーキ店店員雅樹さんの遺体が見つかった1階和室で、押し入れの下段から見つかった。上から毛布をかけられ、斜め上を向いた状態で、上半身に下着などを着けた状態だったという。

 勲さんは3日の県警の事情聴取に対して、2日未明の帰宅直後に男に襲われて意識を失う前に「金はないのか」と脅され、「金はない」と答えた、と説明したといい、特捜本部は金目的の犯行と判断。玄関では、勲さんのものとみられる財布と1万円札が裸で落ちているのが見つかったという。

 雅樹さんの死因が左肺動脈切断による出血性ショックだったことも、その後の調べでわかった。雅樹さんと喜保子さんの遺体が見つかった和室の室内には血だまりがあったが、そのほかは廊下に血痕が残されているだけだったという。

 通報を受けた警察官が2日昼に現場に駆け付けた際、1階の玄関や勝手口、窓は施錠されていたという。自宅敷地内からは勲さんが持っていた玄関の鍵が見つかった。室内からは土足の跡は見つかっていないといい、特捜本部は犯人の侵入方法や逃走経路を慎重に調べている。


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