愛知3人殺傷発覚時、室内に若い男…署員の連絡中に逃走

2009年5月8日14時40分 読売新聞 YOMIURI ONLINE

 愛知県蟹江町の親子3人殺傷事件の発覚当初、県警蟹江署員が、三男で会社員の山田勲さん(25)を保護した際、犯人とみられる若い男が室内にいるのを目撃していたことが8日、わかった。


 男は署員が無線連絡しているすきに逃走しており、県警特別捜査本部は強盗殺人容疑で男の行方を追っている。

 捜査関係者によると、署員が2日午後0時半頃、殺害された次男でケーキ店店員の雅樹さん(26)の上司と一緒に、山田さん宅を訪れた際、首などを刺された勲さんが手を縛られた状態で自ら玄関を開けて出てきた。勲さんは「助けてください。中で2人死んでいます。犯人は逃げました」と訴えた。

 署員が玄関をのぞくと、若い男が斜め後ろを向いて、上がりかまちの上にぼう然と座っていた。署員は被害者だと勘違いし、「大丈夫ですか」と声をかけると、男は無言のままだった。署員は勲さんを路上に連れ出して保護したうえで無線で応援を呼び、2分ほどで戻ったが、男はそのすきにいなくなった。

 署員が駆け付けた時、山田さん宅の出入り口はすべて施錠されていたが、男がいなくなった後、勝手口の鍵が開いており、男はここから逃走したとみられる。県警は現場の半径8キロ圏内で緊急配備をし、男を追ったが、行方はわからなかった。男は黒っぽい上着に長ズボン姿だったという。

 若い男の情報を発表しなかったことについて、県警幹部は「大事な目撃情報だったので公表を控えた」と説明。特捜本部は「結果的に犯人かもしれない不審者に逃走されたが、初動捜査にミスはないと判断している」とコメントした。


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