犯人もけが?洗面所の床に血痕 愛知・蟹江の3人殺傷

2009年5月8日10時12分 朝日新聞 asahi.com

 愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)方で、喜保子さんら一家3人が殺傷された強盗殺人事件で、斑点状の血痕が自宅洗面所の床付近に残されていたことが7日、県警特別捜査本部への取材でわかった。事件後に洗面所に出入りできたのは犯人だけとみられることから、特捜本部は犯人が3人を殺傷した際にけがをして、血が床付近に滴った可能性もあるとみて、血痕の鑑定を進める。

 また、喜保子さんが事件発覚前日の1日午後9時半ごろ、自宅で知人に電話をしていたことが判明。その後、事件に巻き込まれたとみられる。

 捜査関係者によると、血痕は1階洗面所の床に無造作に置かれていた衣類の上にあった。衣類は洗濯機などで洗ったような跡はなく、乾いていた。落ちていた血の量は少なく、上から血液が滴ってできた斑点のような跡だったという。

 洗面所では、血が付いていたとみられるタオルが洗面台に張った水の中で見つかったことも新たにわかった。洗面台の水の中では、次男のケーキ店店員雅樹さん(26)を刺殺する際に使われたとみられる包丁の刃が、洗面台の上では柄が見つかっている。また、洗面所の隣の風呂場では、被害者の血痕などを洗い流したとみられる毛布やタオルが水を張った浴槽の中に残されていた。

 これまでの調べで、雅樹さんは1階和室で、喜保子さんは居間付近で襲われた可能性が高いことがわかっており、特捜本部は犯人が事件後、洗面所や風呂場に出入りして証拠隠滅を図ろうとしたと判断。犯人は包丁が折れるほど強い力で犯行に及んでおり、犯行時に自らもけがをした可能性があるとみている。今後、血痕が犯人の傷から出血したものか、犯人が風呂場の浴槽に運び込んだ毛布などから滴ったものかを慎重に調べる

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