5月9日11時43分配信 毎日新聞
現場の住宅1階の概略図
愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、殺害された会社員、山田喜保子さん(57)宅から血の付いた小刀が見つかっていたことが分かった。捜査関係者が明かした。県警蟹江署特別捜査本部は、首を刃物で刺されて軽傷を負った三男勲さん(25)を襲う際に使われた凶器とみて、鑑定を急ぐ。
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捜査関係者によると、小刀は現場の室内から血が付いた状態で見つかった。もともと家にあったものか、犯人が持ち込んだものかは確認されていない。
特捜本部によると、勲さんは2日午前2時過ぎ、帰宅直後に玄関で背後から男に襲われ、首に刃物による深さ約3センチと約5センチの傷を負った。傷の形状から、見つかった小刀が使われた可能性が高いという。小刀に残された血痕を詳しく調べると共に、犯人の指紋などが残されていないか鑑定を進める。
特捜本部のこれまでの調べでは、喜保子さん殺害の凶器とみられる鉄製スパナと、次男雅樹さん(26)殺害に使われたとみられる包丁が室内から見つかっている。新たに凶器とみられる小刀が発見されたことで、3人がそれぞれ異なる凶器で襲われた可能性が高まった。
事件に関与したとみられる男は2日午後0時20分ごろ、現場に駆けつけた警察官に目撃され、逃走した。現場に残された被害者3人の財布から紙幣が抜き取られていた。しかし、男は現場に10時間以上とどまるなど不可解な行動を取っており、特捜本部は強盗目的と恨みを持つ人物の犯行の両面で捜査している。【福島祥、秋山信一】
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