2009年5月11日 読売新聞 中部発
愛知県蟹江町の親子３人殺傷事件で、刺殺された次男でケーキ店店員の山田雅樹さん（２６）は、帰宅直後に犯人に襲われた可能性が高いことが１０日、わかった。雅樹さんは、１日午後９時４５分～５０分頃には帰宅していたとみられるが、知人が同１０時頃、雅樹さんに電話した際には応答がなかったという。
捜査関係者によると、雅樹さんの職場から自宅までは約８キロで、雅樹さんは普段、車で約１５分かけて通勤していた。この日も午後９時半頃に職場を出た後、車で自宅へ向かったとみられている。
雅樹さんの遺体は上半身裸で、黒のスラックス、灰色の靴下姿。スラックスは職場ではいていたものと同じだったという。
特捜本部は、雅樹さんと母親の喜保子さん（５７）を殺害した凶器が異なるため、犯人が一度に２人を襲った可能性は低いとみており、雅樹さんが帰宅した時には、喜保子さんはすでに殺害されていたとみている。
また、喜保子さんが家族のために作り置きした夕食を、犯人が食べていた可能性のあることもわかった。
捜査関係者によると、食卓にはコロッケなどが残されており、鍋には煮魚やみそ汁があったという。持病のある喜保子さんが本来食べないものにも食べた形跡があったという。司法解剖の結果、雅樹さんの胃には内容物がほとんどなく、三男の勲さん（２５）も食べていないことから、特捜本部は犯人が食べたとみて、食器などを調べている。
さらに、犯人は２日午前２時半頃、帰宅した勲さんを刃物で襲った際、勲さんの上着をまくり上げて頭を覆い、別の衣類をかぶせたうえ、首のあたりに粘着テープを巻いて固定するなどしたという。その後の調べで、室内からは使用済みの粘着テープが大量に見つかり、現場からなくなっていたスニーカーは、勲さんのものだったことも判明した。
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