毎日新聞 2009年5月8日 中部朝刊
愛知県蟹江町の一家３人殺傷事件で、現場の脱衣場内の洗濯機に血の付いたＴシャツが投げ込まれていたことが分かった。捜査関係者が明らかにした。洗濯はまだされておらず、血は洗い流されていないという。被害者の血が付いた犯人のものか、負傷した犯人の血が付いた被害者のものである可能性が高く、県警蟹江署特別捜査本部は犯人につながる有力な物証とみて血などの鑑定を急ぐ。
捜査関係者によると、新たに洗濯機に入っていたのが分かったのは、ともに血が付いたＴシャツとタオル。これまで浴室と脱衣場からほかにもタオルと毛布、衣類が見つかっていたが、大半は洗い流された状態だった。
殺害された母親の山田喜保子（きほこ）さん（５７）の遺体は１階和室の押し入れ内で肌着姿で毛布を掛けられていた。次男雅樹さん（２６）は上半身裸で和室に倒れていた。
また、けがをした三男勲さん（２５）は特捜本部に対し、２日未明の帰宅時を男に襲われた際にもみ合いとなり「男が持っていた包丁を奪ったら、相手の足に当たった」などと話しているという。
このため特捜本部は、犯人が返り血を浴びた衣類を脱いだり、負傷した自分の血が付いた被害者の衣類を脱がして浴室や脱衣場の洗濯機に入れた可能性があり、何らかの事情でＴシャツは洗濯しなかったとみている。
一方、１日午後９時ごろ、喜保子さんが知人と電話で話していたことも新たに特捜本部の調べで分かった。特捜本部は同日深夜から２日明け方にかけて３人が襲われたとみて捜査している。【福島祥、山口知、中村かさね】
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