蟹江3人殺傷:凶器スパナ?3000本流通

毎日新聞 2009年6月2日 2時30分

 愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、会社員、山田喜保子さん(当時57歳)殺害の凶器とみられるスパナと同種の製品が国内で約3000本流通していることが県警蟹江署特別捜査本部の調べで分かった。首を刺され軽傷を負った三男勲さん(25)が「見覚えがない」と話していることから、特捜本部は犯人がスパナを持ち込んだとの見方を強めており、流通経路の解明を急ぐ。

 特捜本部によると、スパナは山田さん方の1階玄関に近い廊下に血をぬぐった状態で置かれていた。ボルトの大きさに合わせて開口部の大きさも調節できるタイプで全長は約30センチ。工場などで使われることが多い工業用で、ホームセンターなどの量販店では扱われていないため、メーカーから専門店などを通して流通した可能性が高いという。特捜本部はスパナの販路解明が犯人特定につながる可能性もあるとみて、調べを進めている。

 事件は5月2日に発覚した。山田さん方を訪れた蟹江署員が両手をコードで縛られ負傷した勲さんを発見。1階和室で次男雅樹さん(当時26歳)が背中を刺され死亡しているのが見つかり、3日には和室押し入れから喜保子さんが遺体で発見された。【福島祥、山口知】



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