みそ汁の椀に家族以外のDNA型 愛知・3人殺傷事件

2009年5月15日20時1分 朝日新聞 asahi.com

 愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)方で一家3人が殺傷された強盗殺人事件で、犯人が口を付けたとみられるみそ汁の椀(わん)から、家族とは別のDNA型が検出されたことが15日、県警特別捜査本部への取材でわかった。特捜本部は、犯人のDNA型である可能性が高いと判断。データベースに蓄積されている犯歴者のDNA型との照合作業を進めるなど、有力な手がかりとみて調べる。

 捜査関係者によると、犯人のものとみられるDNA型が検出されたのは、自宅1階のトイレ前の廊下にあった椀に残されていた唾液(だえき)から。DNA型は、殺害された喜保子さんや次男のケーキ店店員雅樹さん(26)、首にけがをした三男の会社員勲さん(25)のほか、別居している長男、四男の家族全員のものとも違う型だったという。

 みそ汁は、喜保子さんが事件発覚前日の1日の夕食として、家族のために台所の鍋に用意していたが、これとは別に、現場検証でトイレ前の廊下で飲みかけのみそ汁が椀に入って残されているのが見つかった。椀のみそ汁は半分ほど残っていたが、そばに箸(はし)などがなかった。

 椀があった廊下は、血を水ですすいだような跡があった包丁や毛布、タオルなどが見つかった洗面所・風呂場と、台所の間に位置する。雅樹さんや勲さんがみそ汁を飲んだ形跡がなかったことから、特捜本部は犯人が少なくとも約10時間以上にわたって自宅にとどまって、証拠隠滅のために室内を行き来する間に、椀に直接、口をつけてみそ汁を飲んだ可能性があるとみて、椀についていた液体が唾液であることを特定し、DNA鑑定を進めていた。

 このほかにも、室内からみつかったスパナや小刀といった凶器や、血が付着した衣類、血をふき取ったような跡が残されていた床などから、犯人のDNA型が検出される可能性があるとみて、特捜本部はさらに遺留品の鑑定作業を進めている。

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